Press Release

2026年上半期に不適切会計を公表した27社 ―ー 発覚前シグナルの観点からConFinanceAIが分析

前年同期比で全体社数は微減の一方、「粉飾」は3倍に――子会社・関係会社起因の不正は増加傾向

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ConFinanceAIは、2026年上半期(1月~6月)に上場企業が公表した不適切会計事例について、適時開示や調査報告書、決算関連資料などの公開情報をもとに分析を行いました。東京商工リサーチの調査によると、2026年上半期に不適切な会計・経理を開示した上場企業は27社で、前年同期の29社から全体件数は減少した一方、「粉飾」は前年同期の3倍に増加しました。

2026年上半期の会計不正を独自分析。不適切会計27社の実態と、発覚前シグナルとは

1.「不適切会計は増えた」のではなく、「粉飾の比重が急上昇した」

2026年上半期の不適切会計27件の内訳は、粉飾12件、会計処理等の誤り12件、着服・横領3件でした。特に注目されるのは、全体件数が前年同期から減少しているにもかかわらず、粉飾が4件から12件へ3倍に増加したことです。粉飾の構成比で見ると、前年同期の13.8%から44.4%へ上昇しています。

不適切会計の内訳(件数)。2025年上半期は粉飾4件・会計処理等の誤り18件・着服横領7件で合計29件、2026年上半期は粉飾12件・会計処理等の誤り12件・着服横領3件で合計27件。粉飾の構成比は13.8%から44.4%に上昇
不適切会計の内訳(件数)

これは、「会計処理上のミスが多い」という問題とは異なり、「売上や取引そのものの実在性に関するリスク」を企業がより重視すべき局面に入っている可能性を示しています。

東京商工リサーチは、2025年に発覚したオルツやニデック等の影響により監査法人の対応がより慎重になり、粉飾の発覚が増加した可能性にも言及しています。したがって、この数字だけから「実際に発生した粉飾が3倍になった」と結論づけることはできません。

一方で、「発覚・開示された粉飾」が増えているという市場の変化そのものは、企業の内部統制にとって重要なシグナルです。

2.連結数字だけを見ていては、不正を捉えきれない

「子会社・関係会社」が8件、全体の29.6%を占めました。さらに子会社・関係会社に起因する8件のうち、4件が粉飾、4件が会計処理等の誤りでした。

ConFinanceAIが注目したのは、連結企業グループにおける「管理境界」です。親会社の経理部門や内部監査部門が直接見ることのできる範囲と、実際に取引や会計処理が行われる現場との間には、情報・権限・専門知識のギャップが存在します。

2026年に公表されたKDDIの特別調査委員会報告でも、子会社における特定担当者への業務集中、新規事業に対するリスク評価不足、子会社管理やリスク検知体制などが再発防止上の論点として挙げられました。つまり、会計不正リスクは親会社の管理が届きにくい子会社や事業に潜在します。

連結企業グループにおける「管理境界」。親会社の管理部門(経理・内部監査等)と子会社・現場(取引・会計処理)の間には、情報・権限・専門知識のギャップが存在する

3.情報通信業では、7件中6件が「粉飾」

業種別では、製造業と情報通信業がそれぞれ7社で最多でした。

特に注目されるのが情報通信業です。情報通信業では7件中6件が粉飾であり、粉飾比率は85.7%に達しました。

もちろん、7件というサンプル数から業界全体の傾向を断定することはできません。しかし、情報・広告・デジタル関連ビジネスでは、取引の実態確認、代理取引、取引先間の資金循環、売上認識などについて、外形的な「取引金額」と実際の付加価値としての「売上金額」との乖離を把握しにくいケースがあります。

ConFinanceAIでは、こうした業種特性も含め、単純な財務数値だけではなく「取引の構造」も分析対象とする必要があると考えています。

4.不正発覚の前には「財務」「取引」「組織」の3層にシグナルが現れる

ConFinanceAIが特に注目したのは、不正発覚前の公開情報や内部情報に現れるシグナルです。公開資料から確認できる代表的なシグナルには、以下があります。

財務シグナル・取引シグナル・組織シグナルの分類図。複数のシグナルが同時に現れる状態を検知し、追加調査の優先順位を上げる「リスクシグナル」として活用

【財務シグナル】

  • 売上高の急激な増加
  • 売掛金等の増加と売上高の乖離
  • 利益と営業キャッシュ・フローの乖離
  • 粗利率等の財務指標の急激な変化
  • 特定期間への売上計上の集中

【取引シグナル】

  • 特定の取引先への売上集中
  • 過年度から継続する不自然な取引
  • 子会社・関係会社を介した取引の増加

【組織シグナル】

  • 特定担当者への業務集中
  • 職務分掌・権限分離の不十分さ
  • 新規事業に対する知識・リスク評価の不足
  • 子会社・関係会社に対する管理・モニタリング不足
  • 業績目標や利益への過度なプレッシャー

重要なのは、これらのシグナルのどれか1つが存在することではありません。例えば、「売上が決算月に急増した」だけでは、不正とは判断できません。新規の大口顧客獲得やM&A、事業環境の変化によって合理的に説明できる場合があります。

一方で、「売上が急増する」→「売掛金が売上以上のペースで増加する」→「営業キャッシュ・フローが利益に追いつかない」→「特定取引先への売上集中が進む」→「取引を行っている子会社・担当者に業務が集中している」、というように複数のシグナルが同時に現れた場合、追加調査の優先順位を上げるべき「リスクシグナル」と考えることができます。

不正の発覚前に現れるリスクシグナルの連鎖(例)。売上の急増→売掛金の増加→営業キャッシュ・フローの悪化→特定取引先への売上集中→業務集中という順に複数のシグナルが連鎖的に現れることが、リスクの高まりを示すサインとなる

ConFinanceAIは、この「複数の異常が同時に現れる状態」にこそ、AIによる継続的なモニタリングの価値があると考えています。

5.会計不正は「突然起きる」のではなく、「異常が蓄積した後に発覚する」

ConFinanceAIが導き出した重要な示唆は、不正会計を「発覚した時点」で捉えるだけでは、予防にはつながらないということです。

会計不正が明らかになった企業では、発覚以前から財務数値、取引関係、組織体制などに複数の変化が生じているケースがあります。しかし、こうした変化は一つひとつを見ると、必ずしも異常とは言い切れません。

人間による監査や内部監査では、限られた時間の中で膨大な勘定科目、複数年度の推移、子会社・関係会社を含む取引データを継続的に横断分析することには限界があります。だからこそ、「人間が調査すべき変化を継続的に発見させる」という役割をAIに担ってもらうことに効果があるとConFinanceAIは考えています。

会計不正は「突然起きる」のではなく「異常が蓄積した後に発覚する」。通常時から異常の芽生え・異常の蓄積・リスクの高まりを経て不正が発覚するプロセスと、人間の監査・内部監査の構造的な限界、AIによる継続的な横断分析の役割を示す図

FraudLensについて

ConFinanceAIが開発する「FraudLens」は、企業の財務データをAI・データ分析によって継続的に分析し、会計不正につながる可能性のある異常やリスクシグナルを検出することを目的としたサービスです。

月次の財務データを継続的に分析することで、単年度の決算書だけでは把握しにくい変化を捉え、経理、内部監査、監査役等が「どこを調べるべきか」を可視化することを目指しています。

FraudLensが目指しているのは、AIが「不正」と断定することではありません。AIが大量の財務データを継続的に分析し、人間だけでは見落としやすい異常な変化や複数のシグナルの組み合わせを提示する。そして、その先の判断と調査を、人間が行う。この「AIによる継続的モニタリング × 人間による専門判断」という役割分担によって、会計不正への対応を「発覚してから調べる」から「発覚する前に調べる」へ変えていくことを目指します。

FraudLensのサービス概要図。データの自動収集・統合から継続的な横断分析、リスクシグナルの可視化、人間が調査すべき領域への集中までの流れと、AIと人間の役割分担を示す

「発生後対応」から「発生前検知」へ

日本取引所自主規制法人は2026年1月、「内部統制強化・不祥事予防に向けたハンドブック」を公表し、不祥事が発生した企業の再発防止策を、原因や目的別に整理しています。

また、日本公認会計士協会も2026年7月に「上場会社等における会計不正の動向(2026年版)」を公表しています。

これらの動きからも、上場企業に求められる内部統制は、問題発生後の原因究明・再発防止だけではなく、発生前のリスク把握・予防へと重点が広がっていることがうかがえます。

ConFinanceAIは、会計・監査の専門知識とAI・データ分析技術を組み合わせることで、「不正が起きてから調べる」から「不正につながる異常を、早期に見つける」という財務ガバナンスの変化を支援していきます。

弊社プロダクトのデモをご希望の場合は、当社ホームページのお問い合わせフォームより、その旨明記のうえご連絡ください。

調査概要

調査期間2026年1月1日~6月30日
調査対象2026年上半期に上場企業が公表した不適切会計事例
調査方法企業による適時開示、第三者委員会・特別調査委員会等の調査報告書、決算関連資料、その他公開情報を収集・分析
分析内容不適切会計の類型、発生当事者、業種、取引・勘定科目等の特徴、不正発覚前後における財務・取引・組織上の変化等

※本調査における「リスクシグナル」は、不正を直接的に示すものではありません。個別の財務指標の変化には、事業環境の変化、M&A、事業拡大、会計方針の変更等、正当な理由が存在する場合があります。本調査は、公開情報をもとに、不正リスクの早期把握に関する示唆を得ることを目的としています。

参考情報

  • 東京商工リサーチ「上場企業の『不適切会計』開示 27社・27件 上半期は『粉飾』が12件、前年同期の3倍増」(2026年7月24日)
  • 日本公認会計士協会「上場会社等における会計不正の動向(2026年版)」(2026年7月15日)
  • 日本取引所自主規制法人「内部統制強化・不祥事予防に向けたハンドブック-体系化した再発防止策から学ぶ着眼点-」(2026年1月)
  • KDDI株式会社「特別調査委員会による調査結果について」(2026年3月31日)

会社概要

会社名株式会社ConFinanceAI
所在地東京都渋谷区道玄坂1-10-8 渋谷道玄坂東急ビル2F-C
代表者代表取締役 吉岡康平
設立2026年7月
事業内容不正会計検知システムの開発・提供・保守・運用等
URLhttps://www.confinance.ai/
電話番号080-3432-9364
資本金100万円
上場未上場
業種サービス業

本件に関するお問い合わせ

株式会社ConFinanceAI 代表取締役 吉岡康平
Email:contact@confinance.ai

初出: PR TIMES「2026年上半期に不適切会計を公表した27社 ―ー 発覚前シグナルの観点からConFinanceAIが分析」(2026.08.21)

その分析、実際のデータでも検証してみませんか。

FraudLensは月次の試算表データから、不正会計につながる異常なシグナルを継続的に検知します。